日本・スペイン文化経済交流センターエクステンションは、日本とスペイン語圏諸国との交流の促進を目的に、1986年に大阪に設立されました。
以来、様々な活動を通し、国際交流におけるコミュニケーションの果たす役割の大きさをひしひしと感じて参りました。
国際交流は、他者に対する敬意があって初めて成り立つものですが、相手をよく知った上での敬意であることが理想的です。互いにわかり合う必要に迫られた時、両者の関係はより複雑なものになることを強いられ、互いに相手に何を知ってもらいたいかを的確に伝え、相手から受け取った情報を正しく理解することが必要になります。
互いの文化の範疇を超えて理解し合うためには、あらゆる壁を乗り越えていかねばなりません。まず、情報を感知する五感での壁があります。私たちの感覚は、自分の文化という物差しで測り得ることだけを感知することに慣れてしまっており、無意識のうちに見過ごしてしまうことが多々あります。また、一方が西洋的思考で、一方が東洋的思考である場合は特に、基本的な概念を共有することすら非常に困難になります。更には、総体的な広いフィールドでの理解が求められる段階になると、全く馴染みのない領域へ踏み込み、知ろうという努力をしなければなりません。
だからこそ、国際関係においては、情報を発信する側にとっても受信する側にとっても、円滑なコミュニケーションが不可欠かつ重要な要素となるのです。そして、このコミュニケーションこそがエクステンションの活動の出発点だと言えます。私たちはこの「コミュニケーション」に関して皆様方のお力になるべく、ビジネス、教育、文化交流の分野において積極的な活動を行っています。
エクステンションは、ビジネスの分野では仲介者的な役割を担います。両方の言語、文化のネイティブがチームを組み、ただ単に正確であるというだけではなく、魂のこもった、意図の伝わりやすい情報のやりとりの実現に貢献することを心がけています。通訳スタッフの派遣サービスや翻訳サービスをはじめ、異なる文化圏の市場に進出をする企業の皆様のサポートなど、多岐にわたるビジネスサービスを手がけています。
教育機関としては、参加される皆様が、それまで知らなかったことに価値を見つけ、慣れ親しむことのできる手段を提供するだけではなく、「他者」や「異文化」に出会った時に、うまく対応できるようなコミュニケーション技術も身につけられるような教育を行っています。エクステンションでのスペイン語レッスンは、形式を重んじる大きな語学学校とは異なり、創立当時から変わらない温かい雰囲気の中で、生徒の皆様一人一人の必要性に応じたサービスを提供しています。語学を身につけていただくことはもちろんのこと、定期的にセンターにお越しになる皆様の心が癒され、元気が出るような雰囲気を作り出すことも私たちが大切にしていることです。
日本とスペインという二国間のコミュニケーションのお手伝いをすること、それが1986年にエクステンションを創立した際の最大の目的でした。現在、グローバリゼーションの進行に伴い、各国、各地域特有の文化が活性化され、多様化が進んでいます。それによってこれからは以前にも増してコミュニケーションの必要性は高まっていくでしょう。
以上のような業務を通して、世界中の人々の相互理解や発展にささやかながらも貢献することができるよう、私たちは日々の活動を続けております。
日本・スペイン文化経済交流センター エクステンション
代表 モンセ・マリ